【福井】大学入試共通テストの問題点とは【進学塾ダーウィン】

先日、2020年度より実施される「大学入学共通テスト(以下共通テスト)」の試行問題が発表されました。

 

センター試験と共通テストとの変更点などは、新聞紙上などでも幾度となく紹介されているため、ここでは触れません。

 

ここでは、普段高校生に数学を教えている者としての、数学の共通テストに対する率直な意見を述べていきます。

 

 

浮かび上がる問題点

 

まずは、問題文が長すぎます。

 

後述しますが、共通テストは思考力を問う内容となっているので、

 

問題文が会話形式であったり、高校で行うアクティブラーニングのような問題であるためか、

 

一言で言って問題が冗長で簡潔さの欠片もありません。

 

数学のテストを受けているはずなのに、まるで国語のテストを受けているような気分にさせてくれます。

 

大学の個別試験でもないこんな画一的な数学のテストに国語力を測るような内容が必要なのでしょうか。

 

次に、問題が難しすぎます。

 

いくら思考力を問うテストだといっても限度ってものがあるだろう、と関係機関に言いたいです。

 

こんな内容だと、数Ⅰ・A、数Ⅱ・Bとも下手すると2030点ずつぐらい平均点が下がるかもしれません。

 

現在のセンター試験で60点も取れないような生徒は手も足も出ないです。

 

しかし、最難関大学を志望するような生徒にはそれほど影響はないと思います。

 

そのような生徒達は、「やり応えがあるテストだな」ぐらいに思うだけでしょう。

 

したがって、得点の分布などは二極化するはずです。

 

こんなテストが二峰性の分布となったら大変なことですが。

 

そして記述問題についてですが、これは申し訳程度にあるぐらいのものです。

 

正直言って必要性を感じません。

 

試行問題での問題を見る限り、記述内容によって得点差が生じるような問題でなかったからです。

 

これだったら、マーク形式でも全く問題ないはずなのに、なぜわざわざ記述問題なんかにするのだろうかという印象です。

 

 

教育現場との隔たり

 

総括しますと、そもそも共通テストは、高大接続のために、

 

校生に知識偏重でなく、思考力・判断力・表現力をより養ってほしい、という方針で行われるものです。

 

しかしどうでしょうか。

 

この共通テストは現在の高校1年生から行われ、センター試験とはテストの内容は大きく異なります。

 

では、今の高1生に行われている高校での教育は昨年までと大きく異なるものでしょうか?

 

はっきり言って授業等で行われていることは、昨年までとほとんど同じはずです。

 

学校で行われていることは同じなのに、テストだけ難しくなるとは一体何なんでしょうか。

 

テストを難しくすれば生徒が自主的に思考力等をつけようとしてくれると思っているのかもしれません。

 

実際の所は、高校からということでなく、小学校から高大接続を目指すような教育内容にこれから変わっていくのでしょう。

 

そうでなければ、高校からいきなり思考力・判断力・表現力を養えと言われても、それは困難です。

 

そういった意味では今の高1生や中学生は、共通テストの被害者と言えるのかもしれません。

 

いろいろ個人的な意見を述べましたが、共通テストが2年後から行われることは確定なわけです。

 

それでしたらそれを受け入れるしかありません。

 

先にも述べましたが、テストは難しくなるのに学校授業の内容は同じなわけです。

 

学校での授業だけでは共通テストに太刀打ちできない、という生徒はかなり出てくると思われます。

 

そういった生徒達を微力ながらも手助けしていければと思っております。

 

 

2018年11月23日

進学塾ダーウィン本部校

安川 大祐